4, 新幹線
章目次
a. 幹在同一
新幹線は磁気符号上も原則として並行在来線と同一です.新幹線単独駅は原則として対応する並行在来線の駅に置き換えられます.たとえば(東)新富士は富士に置き換えられます.そのため,券面に「(東)新富士→三島/経由:(東)新富士・新幹線・三島」と印字されていても,発駅の磁気符号は通常は「東海道本線富士」になっています(twitter).
例外はあります.たとえば,岐阜駅と岐阜羽島駅に関する場合です.この2駅は同一とみなしますが,たとえば「岐阜→名古屋/経由:東海道」には特定運賃が適用されて470円である一方で,「岐阜羽島→名古屋/経由:岐阜羽島・新幹線・名古屋」には特定運賃が適用されず,590円です.そのため,磁気符号上も経由を区別する必要があります.通常であれば「岐阜羽島→名古屋」の乗車券の発駅の磁気符号は「東海道本線岐阜」になりますが,この場合は「東海道新幹線岐阜羽島」になります(twitter).
b. ミニ新幹線
ミニ新幹線は在来線と同様に扱われますが,山形新幹線はフル規格の新幹線と似た方法で扱われる場合もあります.
山形新幹線
マルス券では「福島・山形幹・山形」のように,フル規格の新幹線と似た表記方法で表記されます.また,フル規格の新幹線の場合と同様,山形新幹線から在来線に乗り換える場合も乗換駅が接続駅として書き込まれます(twitter,twitter).これはおそらく仙台近郊区間に,奥羽本線福島〜新庄間が含まれているのに対して,山形新幹線が含まれていないことと関係があるものと思われます.
秋田新幹線
在来線として扱われます(田沢湖線+奥羽本線大曲〜秋田間).
c. 経由数詳細
1つの新幹線の路線は複数の在来線の路線にまたがっていることがあります.またがっている場合,接続駅が書き込まれます.
- 東海道・山陽新幹線
- 東京・神戸・小倉・博多で3経由
- 東北新幹線
- 東京・新青森の1経由
- 上越新幹線
- 東京・大宮・高崎・越後川口・宮内・新潟の5経由(*1)
- 九州新幹線
- 博多・新八代・川内・鹿児島中央の3経由
- 北陸新幹線
- 東京・大宮・高崎・糸魚川・金沢の4経由
- 北海道新幹線
- 新青森・新函館北斗の1経由(*2)
注
- 越後川口は,上越線が旧信越本線高崎〜宮内間に対する特殊経由線であったために接続駅として書き込まれます(旧特殊経由線).この区間内で新幹線の乗降がある場合(たとえば浦佐で新幹線に乗車)でも同じです.また別線区間折り返しの場合でも同じです(twitter).なお,ふつう特殊経由線内に接続駅が設定されるのは,その特殊経由線を全線乗り通す場合に限られますが,越後川口に限っては,特殊経由線(上越線)を全線乗り通さなくても,すなわち越後川口を単にまたぐだけでも接続駅として書き込まれます.
- ただし新函館北斗とその先の北海道内の接続駅は統合されることがあります.
d. 経由印字
経由表記では東海道・山陽新幹線は一体として扱われています.上越新幹線は線路名称上は大宮〜新潟間ですが,マルス経由線や経由印字ではそれと異なり,東京〜新潟間であるとして扱われています.同様に北陸新幹線も東京〜金沢間として扱われています.それ以外は別の新幹線として扱われ,またがって乗る場合は接続駅が印字されます.たとえば次のように印字されます.
- [区]東京都区内→[福]福岡市内/経由:新幹線・博多
- [区]東京都区内→新潟/経由:新幹線・新潟
- [区]東京都区内→新函館北斗/経由:新幹線・新青森・新幹線・新函館北斗
- [区]東京都区内→鹿児島中央/経由:新幹線・博多・新幹線・鹿児島中央
- 宇都宮→安中榛名/経由:宇都宮・新幹線・大宮・新幹線・安中榛名
東京駅([山]東京山手線内/[区]東京都区内)発着の乗車券で東京から(まで)新幹線を利用する場合,経由に「東京」は印字されません.
e. 乗換駅
新幹線から並行在来線に乗り換える場合(あるいは逆の場合),経由に新幹線乗換駅が印字されますが,これは原則として接続駅として書き込まれます(twitter).たとえば
- 乗車券
- 東京→籠原/経由:東京・新幹線・熊谷・高崎線
- 発:[東京][新幹線]
- 1, 大宮(高崎線)
- 2, [熊谷][高崎線]
- 着:籠原
のようになります.
ただし東北新幹線東京〜上野間のみ利用する場合,上野駅はふつう接続駅になりません(twitter,twitter).旅客営業規則第159条第1項(特定区間を通過する場合のう回乗車)に該当する場合と,第160条第1項(特定区間発着の場合のう回乗車)に該当する場合は接続駅にならないようです.接続駅になるのは,70条区間内相互発着となる乗車券の場合です.第160条第2項で,70条区間内相互発着となる乗車券を用いて「東海道本線(新幹線)東京・品川間及び東北本線(新幹線)東京・上野間をう回して乗車すること」が禁止されていることと関係があると思われます.
上野駅のほかにも新幹線乗換駅が接続駅にならない場合がありますが,120mm券になるような長距離の経路であれば,接続駅にならないことは少ないようです.
分岐駅通過特例が適用される場合,新幹線乗換駅ではなく,その前の分岐駅が接続駅になります.
2001年12月までは新幹線乗換駅は印字されず,「新幹線」のみの印字だったようです(blog).口座発売の経由印字でも,古いものはそのようになっています.
f. 別線区間(折返し・他路線乗換え)
新幹線は原則として並行在来線と同一の線路とみなしますが,並行在来線からは離れた駅が新幹線に設けられている場合,別の線路とみなされる場合があります.一つは新幹線を別線区間内で折り返す場合,もう一つは別線区間内の駅から他路線に乗り換える場合です.これらの場合,その区間に限っては並行在来線とは別になります.接続駅は,折り返す場合,別線区間入口駅・別線区間内の新幹線駅・別線区間出口駅が書き込まれ,他路線に乗り換える場合,別線区間入口駅・別線区間内の新幹線駅(すなわち他路線との接続駅)が書き込まれます.
たとえば上越新幹線大宮〜本庄早稲田〜高崎間は,並行在来線として高崎線大宮〜高崎間をもちますが,本庄早稲田が新幹線単独駅のため別線区間となっており,高崎または大宮で折り返すような片道乗車券をつくることができます.この場合,たとえば
- 乗車券
- 大宮→倉賀野/経由:大宮・新幹線・高崎・高崎線
- 発:[大宮][新幹線]
- 1, 熊谷(!)
- 2, 本庄早稲田(!)
- 3, [高崎][高崎線]
- 着:倉賀野〈着〉
のような片道乗車券をつくることができます(「!」は注意すべき接続駅を表します).またこのような場合,新幹線の別線区間は,あたかも並行在来線を母線とする特殊経由線になっていると言えます(マルス経由線の「分岐線」「ダミー線」と比較できます).
次に,東北新幹線仙台〜古川〜一ノ関間は,並行在来線として東北本線仙台〜小牛田〜一ノ関間をもちますが,古川は東北本線の駅ではないため別線区間となっており,古川から陸羽東線に乗り換えるような乗車券をつくることができます.この場合,たとえば
- 乗車券
- 盛岡→鳴子温泉/経由:盛岡・新幹線・古川・陸羽東
- 発:盛岡
- 1, 一ノ関(!)
- 2, 古川(!)
- 着:鳴子温泉
のような乗車券をつくることができます.この場合は一ノ関(別線区間入口)〜古川間が(東北本線からは独立した)一つの別の路線になっているとみなすことができます.
東京近郊では新横浜駅が重要です.以下の東海道新幹線新横浜 - k. 線区別に具体的な例が書かれています.
g. 別線区間再度通過
別線区間を,折り返すのではなく再度通過する場合,幹在同一になるようです.重複する区間ではおそらく自動改札は利用できないと思われます(同じ駅が2度含まれることになり,1度目なのか2度目なのか判定できないため).
- 乗車券
- 立花→姫路/経由:東海・JR東西・片町線・おおさ東・新大阪・新幹線・姫路
- 発:立花
- 1, 尼崎
- 2, 京橋
- 3, 鴫野
- 4, 新大阪
- 5, 神戸(!)
- 着:姫路
上の乗車券では,東海道本線立花〜尼崎が山陽新幹線新大阪〜(新神戸)〜姫路間と重複しているように見えますが,実際には別線区間のため片道で発売できます.ただし新大阪で折り返しているわけではなく,東海道本線/山陽新幹線を再度通過しているため,幹在同一の場合と同様の接続駅(神戸)になっています.この場合,(少なくとも)立花〜尼崎間では自動改札は利用できないようです.逆に重複しない区間では自動改札が利用できるようです(twitter).このリンク先の例は次のようになっていると思われます.
- 乗車券
- 藤沢→[区]東京都区内/経由:東海・下曽我・大岡・東海・小田原・新幹線
- 発:藤沢
- 1, 国府津
- 2, 御殿場(?)
- 3, 沼津
- 4, 東海道本線小田原
- 着:[区]東京都区内
別線区間再度通過のため,新横浜駅は接続駅になりません.横浜駅では問題なく自動改札で途中下車できるようです.
h. 分岐駅通過特例
列車が通過するために折り返し乗車する場合について,「分岐駅通過列車に対する区間外乗車の取扱いの特例」(分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例 - 運賃計算の特例 | JR東日本,旅客営業取扱基準規程第151条)が定められており,指定された区間では区間外乗車ができます.
- 乗車券
- 那須塩原→磐城守山/経由:那須塩原・新幹線・水郡
- 発:那須塩原
- 1, 安積永盛
- 着:磐城守山
区間外の新幹線乗換駅は経由に印字されません.
(新幹線で)分岐駅通過特例が適用されるのは以下の区間です.新幹線乗換駅はいずれも一例です.
- 羽前千歳・山形
- 経由:新庄・山形新幹線・仙山
- 北山形・山形
- 経由:新庄・山形新幹線・左沢線
- 安積永盛・郡山
- 経由:上野・新幹線・水郡
- 宮内・長岡
- 経由:上野・新幹線・信越
- 宝積寺・宇都宮
- 経由:新青森・新幹線・烏山線
- 神田・東京(*1)
- 経由:上野・新幹線・中央東(twitter)
- 金山・名古屋
- 経由:品川・新幹線・中央西(twitter)
- 山科・京都
- 経由:品川・新幹線・湖西(twitter)
- 東岡山・岡山
- 経由:品川・新幹線・大多羅(twitter / twitter)
- 倉敷・岡山
- 経由:博多・新幹線・伯備(twitter)
- 海田市・広島
- 経由:品川・新幹線・矢野(twitter),三原・新幹線・呉線(blog)
- 西小倉・小倉
- 経由:博多・新幹線・日豊(blog, twitter)
- 吉塚・博多
- 経由:品川・新幹線・篠栗線(blog, twitter)
- 宇土・熊本
- 経由:鹿児島中央・新幹線・三角線
注
- 「新幹線・中央東」となるのは70条区間内発着/相互(東京〜上野間のみ新幹線利用)の場合のみです.70条区間を通過する場合は「大宮・新幹線・東京・中央東」のようになります.後者の場合,東京駅では自動改札で途中下車等をすることができません.有人改札を利用し,神田〜東京間の運賃を別途支払うか,有楽町回りで利用する旨を伝えて途中下車印を押してもらいます(70条区間内は迂回できるため).東京〜上野間のみ新幹線利用でかつ70条区間を通過し,中央東線内に抜けるような経路の乗車券をマルス端末で発券しようとすると,正しく運賃を計算できません.出札補充券で発売することは可能ですが,現在ではそのような扱いは原則として行われないようです.
i. 別線往復区間
新幹線と並行在来線は同一の線路とみなすのが原則ですが,新下関/下関〜博多間に限っては,新幹線はJR西日本,在来線はJR九州と分かれており,かつ運賃が異なりますので,経由を区別する必要があり,在来線経由の場合に接続駅が追加されています.たとえば
- 乗車券
- 新下関→博多/経由:山陽・鹿児島線(在来線経由)
- 発:新下関
- 1, 下関(!)
- 2, 門司
- 3, 赤間(!)
- 着:博多
のようになります.この区間の新幹線駅は「新下関・小倉・博多」の3つですので,新下関〜小倉間に在来線のみの駅である下関を,小倉〜博多間に在来線のみの駅である赤間を接続駅として書き込むことにより,並行在来線をあたかも新幹線に対する特殊経由線のようにしているのだと思われます(ただし別線往復区間の場合,在来線も新幹線も同じ路線符号を用いていますので,ふつうの特殊経由線とは違っています).なお,この区間では運賃は異なりますが,経路としては幹在同一とみなしますので,この区間の経路(在来線経由か新幹線経由か)が往復で異なっていても,往復乗車券を発券することは可能です(別線往復乗車券).
山陰本線から小倉方面に進む場合も途中の下関が接続駅になります.
別線往復乗車券は,ゆき券またはかえり券のうち,少なくとも一方が120mm券になる場合,もう一方も(接続駅数にかかわらず)120mm券になるようです.したがって別線往復乗車券の片方が85mm券で,もう片方が120mm券ということはないようです(twitter).一般に連続乗車券の場合は片方が85mm券ということがあり得ますので,これは別線往復乗車券に特有の現象と考えられます.
また別線往復乗車券の場合,ほかの乗車券(片道・往復・連続)とは異なり,マルス経由線(新幹線乗換駅含む)の合計数は,ゆきとかえりそれぞれで12以下でなければなりません(twitter).これは,マルス端末から発信できるマルス経由線の数が12以下に制限されているからです.実際,ME-X形端末とME-4形端末では,別線往復乗車券の発売画面におけるマルス経由線の入力欄には,ゆきとかえりそれぞれ12個のマスしかありません.かつては,この制限はもっと厳しかった(8–10経路程度)と言われることがありますが,MR-20形端末では11経路まで入力できている例がありますので,この制限は昔から同じだったのかもしれません(jr-mars, jr-mars).
なお,別線往復に通過連絡を含む乗車券はマルスでは発券できませんので,出札補充券を用いる必要があります(twitter).
j. 西九州新幹線と大村線
西九州新幹線新大村〜諫早間と大村線新大村〜諫早間は並行していますが,同一の路線(並行在来線)ではなく,完全に別の路線です.また西九州新幹線は幹線であるのに対して大村線は地方交通線ですので運賃も異なっています.完全に別の路線ですので,新下関〜小倉〜博多間の別線往復区間とは異なりますが,接続駅の設定のされ方は同じです.すなわち在来線経由の場合に接続駅として諏訪が追加されます(新幹線経由の場合には諏訪は接続駅にはなりません).
- 乗車券
- 大村→大村車両基地/経由:大村線
- 発:大村
- 1, 諏訪(!)
- 着:大村車両基地
このため接続駅符号の観点からは,大村線は早岐〜諏訪間と諏訪〜諫早間の2路線に分かれていることになります.
k. 70条区間
「中央東・東京・新幹線・新横浜」や「中央東・東京/上野・新幹線・大宮」の場合,70条区間内の最短経路上に新幹線の乗換駅が存在しません.印字経路は70条に反していますが,接続駅は70条にもとづき,最短経路上の接続駅になります.したがって最短経路上以外の駅で自動改札で途中下車しようとすると,区間外乗車と判断されます(有人改札を利用すればもちろん途中下車できます).新幹線乗換改札はこのような乗車券に対応していますので通過することができます.ただし新幹線改札から直接駅外に出ることのできる新幹線改札(乗換改札でないもの)ではやはり区間外乗車と判断されます(blog).なお「中央東・東京・新幹線・大宮」の場合,東京〜神田間は区間外乗車の扱いとなりますので,この経路で乗車する場合はそもそも途中下車できません.品川経由で迂回するか,この経路のまま東京〜神田間の運賃を別途支払う必要があります.
l. 線区別
東海道新幹線新横浜
東海道新幹線品川〜新横浜〜小田原間は,並行在来線である東海道本線との別線区間です.まず,次の乗車券のように,この区間内の新幹線駅で乗り換える場合,別線区間の入口駅である品川が接続駅になります.
- 乗車券
- 東京→町田/経由:新幹線・新横浜・横浜線
- 発:東京[新幹線]
- 1, 品川
- 2, 新横浜[横浜線]
- 着:町田
次の乗車券は,この区間内で折り返す場合です.
- 乗車券
- 熱海→大井町/経由:新幹線・品川・東海道
- 発:熱海[新幹線]
- 1, 小田原
- 2, 新横浜
- 3, [品川][東海道]
- 着:大井町
別線区間内で折り返していますので,別線区間内で新幹線が並行在来線(東海道本線)に対する特殊経由線のように扱われます.したがって別線区間内の入口駅である小田原と,中間駅である新横浜と,出口駅である品川が接続駅になります.
海田市問題(山陽新幹線)
幹在別線
山陽新幹線三原〜広島間には新幹線単独駅である東広島駅が存在しますので,この区間は幹在別線です(旅客営業規則第16条の2第2項).したがって,たとえば呉線矢野駅から山陽本線海田市駅を経由して広島駅で新幹線に乗り,折り返して新大阪方面に進む場合,本来ならば幹在別線を適用して海田市→広島→三原を含む区間を片道で発券し,海田市←→広島間の往復の営業キロを含めて運賃計算をすることになります(次の経路図参照).
区間外乗車
ただしこの区間に限っては「海田市・広島間に係る区間外乗車の取扱いの特例」(旅客営業取扱基準規程151条の2)が設定されており,広島・海田市間で途中下車をしない限り,この区間を区間外乗車することもできます.すなわち,上の経路図において,本来は広島から上に伸びている||を経由することになりますが,実際には区間外乗車が認められていますので,海田市から上に伸びている(|)を経由することができます.この場合は三原〜海田市間を幹在同一とみなすことになります.
なお,この特例は強制適用ではありません(「〜することができる」).したがって幹在別線で発券すること「も」できることになります.
区間外乗車の場合の接続駅
この区間外乗車を適用するとき,接続駅符号を数える場合はふつうに分岐駅通過特例を適用すればよいと考えられます(twitter,twitter,twitter).なお,呉線は山陽本線三原〜海田市間を母線とする特殊経由線で,特殊経由線表記は須波・矢野です.
- 乗車券
- 坂→岡山/経由:矢野・新幹線・岡山
- 発:坂[矢野]
- 1, 海田市
- 2, 三原[新幹線]
- 着:[岡山]
幹在別線での発券方法
広島付近で途中下車したい場合は,分岐駅通過特例を適用せず,幹在別線を適用すればよいはずですが,マルス端末では補正禁止を指定しても幹在別線を適用した乗車券を発券することはできません.これは不用意に幹在別線を適用して運賃が高額になる乗車券を発券してしまうのを防ぐためだと考えられます.JR東日本のPOS端末でも発券できないようです(twitter).ただしJR西日本のPOS端末では補正禁止を用いれば発券できます.うまくいかない場合は「新幹線」「広島」の2つだけを補正禁止とします(blog).JR四国のPOS端末では補正禁止の操作は必要なく,広島を選択すれば発券できます(twitter,twitter).
なお,この区間を幹在別線で発券してもらうのはかなり困難です.マルス端末では幹在別線で発券できないということもあり,幹在別線で発券することもできるという認識がないことが多いことが原因です.上の旅客営業規則と旅客営業取扱基準規程のコピーを用意しておくとよいでしょう.
東北新幹線(総武本線・常磐線方面)
総武本線から東北新幹線に乗り換える
総武本線亀戸以遠から東北(・上越・北陸)新幹線大宮以遠を利用する場合,東京駅から新幹線に乗るような乗車券を作ることができます(経由:総武・東京・新幹線・……).また上野駅から新幹線に乗るような乗車券を作ることもできます(経由:総武・上野・新幹線・……).どちらの場合も70条区間通過になりますので,本来は東京駅から新幹線に乗るような乗車券は作ることができないはずです(最短経路でないため).一方,接続駅の磁気符号は(正しく)最短経路になります.したがって東京駅から新幹線に乗る場合でも,上野駅から新幹線に乗る場合と同様に接続駅の磁気符号が書き込まれます.すなわち東京駅から新幹線に乗る場合でも,上野駅から乗る場合でも,券面に表示された経由は異なりますが,接続駅は同じだと考えられます.このような接続駅の設定のされ方は分岐駅通過特例の場合と似ています.
- 乗車券
- 亀戸→大宮/経由:総武・東京・新幹線・大宮
- 発:亀戸[総武]
- 1, 秋葉原
- 2, 上野[新幹線]
- 着:[大宮]
(途中下車のできる)このような乗車券で,東京駅で途中下車をする場合,自動改札は利用できず,有人改札を通る必要があります.ただし新幹線乗換自動改札は通ることができます.
常磐線から東北新幹線に乗り換える
常磐線から東北新幹線に乗り換える場合,「経由:常磐・上野・新幹線・(大宮以遠)」あるいは「経由:常磐・東京・新幹線・(大宮以遠)」のような経由になり,接続駅は次のようになるようです(twitter).
- 乗車券
- 三河島→川越/経由:常磐・東京・新幹線・大宮・川越線
- 発:三河島[常磐]
- 1, 日暮里[東京・新幹線]
- 2, 赤羽
- 3, [大宮][川越線]
- 着:川越
赤羽が接続駅になる理由は不明ですが,中央東線大久保以西から東京駅または上野駅を乗換駅として東北新幹線で大宮以遠に抜ける場合に赤羽が接続駅になる(これは70条区間内の接続駅が最短経路上にあるため)のと関係があるかもしれません.
北海道新幹線と省略コード
新函館北斗を接続駅(発着駅ではない)として道内の各路線に乗り継ぐとき,一般的な経路ならば,その先の接続駅が統合されて1つになります(省略コード).したがって北海道新幹線で1経由,その先の道内の各路線で合わせて1経由の合計2経由となることが少なくありません.